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●円錐角膜とは

円錐角膜とは中央部の角膜が薄くなり、角膜が前方へ円錐状に突出していく病気です。🙄 不正乱視がおこり、視力が低下します。角膜に起こる非炎症性変性疾患で、発症率は診断技術の向上により、1000~2000人に1人とも言われています。

原因は今のところ不明ですが、遺伝やアトピー性皮膚炎、目を擦ることが関係しているとされています。原因遺伝子は特定されていませんが、家族歴がないようでも身内を調べると、軽度の円錐角膜が判明することもあります。👨‍👩‍👧‍👦

若年層の発症が多く、10代~20代が最も症状が進み、その後は進行が徐々におさまっていくケースが一般的です(個人差があります)。デスメ膜に亀裂が入り、角膜内に水が溜まって白く濁る(急性水腫)こともあります(作者の症状のページ参照)。



●円錐角膜の治療

①ハードコンタクトレンズ(HCL)

円錐角膜の治療として欠かせないのが、このHCLです。軽度であれば眼鏡やSCLでも視力が得られることがありますが、ほとんどの方はHCLが必要になるでしょう。👀 円錐角膜の不正な角膜表面をHCLと涙液で覆うため、レンズの装着によって視力が改善します(進行を止める効果はありません)。

近年ではレンズの製造技術が飛躍的に向上しており、円錐角膜専用のHCLもありますので、症状が進んだ方でも使用できることが多くなってきました。そのお陰で生活の質を落とすことなく、今までとほとんど変わりのない日常を送ることができます。⛹🏻‍♀️

HCLはどうしても異物感がありますので、それを軽減させるために、SCLを乗せた上にHCLを乗せるピギーバックという方法もあります。円錐角膜のレンズの処方は、角膜が円錐状になっているため、大変技術を要します。専門医のいる医療機関を調べて、そちらで治療を受けることをお薦めします。



②角膜移植

円錐角膜の症状が悪化し、矯正ができなくなった場合は、角膜移植手術を行います。ただ最初に言っておきたいのですが、あくまで最終手段であり、HCLの処方技術がしっかりしていれば、多くの場合は必要ありません。🙅🏻

角膜移植術には、全層角膜移植と深層角膜移植があり、全層は層間の濁りが生じないため、術後の視力向上が良好なことが多いです。深層は角膜の上皮と実質を移植しますので、合併症や拒絶反応、強度といった面では有利ですが、より技術を要します。

角膜は0.5mm程の薄い膜で、実際には5層構造になっていて複雑です。基本的に悪い部分(パーツ)だけを取り替えるパーツ移植という考えです。
医療費の高い米国では日帰りで行うこともありますが、日本では概ね1週間くらいの入院をするのが一般的です。移植後は目の周りを清潔に保つ必要があり、シャワー・洗髪は3日後くらいです。🚿

稀に拒絶反応(自分の体が提供者の角膜を異物として免疫システムが攻撃)を起こすことがありますが、点眼や点滴で抑えることができます。
角膜の提供は国内のアイバンクを利用するか、海外から輸入する方法があります。国内の場合は保険が適用されるメリットがありますが、登録をしてから提供を受けられるまで日数を要することが多いようです(作者は9ヵ月)。

海外の場合は角膜の数が多く、待機日数も短いようですが保険適用外となります。また国内よりも手術日を設定しやすいようです。基本的に手術がいつになるのか分からない状態で待機しますので、突然の連絡による仕事や学校などのスケジュール調整がすぐにできるように、予め周りに伝えおいて理解が得られる状態にしておくことが大切だと思います。

角膜移植手術の成功率は9割以上で、移植手術の中では最も良いとされています。国内の角膜移植待機者(レシピエント)は、約2000人いるそうです(2025年/日本アイバンク協会)。👨🏻‍⚕️



③角膜クロスリンキング

円錐角膜の進行を止めることを目的として行う治療です。初期の円錐角膜の方が対象となります。角膜にリボフラビンを点眼して、長波紫外線を30分照射します。角膜実質のコラーゲン線維を強くして進行を予防します。5分から10分の高速クロスリンキングもあります。欧州では初期の方の標準治療となっているようです(保険適用外)。



④角膜内リング(ICRS)

2枚のプラスチック製のリングを角膜実質内に挿入する治療で、裸眼と矯正視力の改善が期待できます(保険適用外)。



⑤有水晶体眼内レンズ

高度近視の矯正のために作られたレンズを移植します。軽度の方で裸眼視力を改善する効果があります(保険適用外)。



⑥角膜熱形成術

ラジオ波やマイクロ波で熱を加えて、角膜実質のコラーゲンを収縮させて歪みを矯正します。2、3ヵ月で角膜の状態が戻ることが多く、クロスリンキングと併せて行う場合があります(保険適用外)。

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