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☆円錐角膜の体験談をこちらで募集しています。

  94:ぽんぬさん

【年齢 :26歳、職業:医学生、性別:男性、住所:神奈川県】

円錐角膜と診断されて12年です。両側円錐角膜で、右目はHCLで視力1.0で良好ですが、左目が急性水腫を2回発症し、HCLでの矯正は0.3です。少しでもお役に立てればと、自分の円錐角膜についての経験を書かせていただきたいと思います。

13歳の頃、部活動で野球をしていた時にフライのボールが見えなくなってきて眼科を受診。3件ほど回って円錐角膜と診断された。円錐角膜としてくれた眼科は遠方だったため、地元(福島県の田舎)の眼科でHCLを処方してもらい、定期検査を受けていた。その眼科では、HCLで矯正し、急性水腫になったら角膜リングなどの治療を受けると良いと言われていた。当時は親も自分もそれを信じていたが、皆さんご存知の通り、それは大きな間違いだった。

数年経ち、大学受験のために浪人中のある日、左目の視野が白く濁り見えなくなった。慌てて眼科(浪人先の大阪)を受診すると急性水腫と診断された。地元で急性水腫になったらHCL以外の治療をした方が良いと軽く言われていたので、そのことを伝えると医師は唖然とし、急性水腫を発症すると角膜移植以外の治療が断たれると伝えられた。その時は地元の眼科医を恨む気持ちと、ちゃんと自分で調べてこなかった事への後悔、何よりやるせない気持ちになった。

その後、急性水腫が引いて幸いにも濁りが残ることはなくHCLでの矯正を続けている。ただ、左目については十分な矯正視力は出ていない。首都圏の医学部に進学したので眼科医と話すことも多く、相談する機会もあるが、円錐角膜の治療に力を入れている医師以外は、あまり円錐角膜についてあまり理解していない医師が多い印象がある。

今後、円錐角膜の治療を発展させ、また、私たちのように円錐角膜に苦しむ人を少しでも減らすためには、円錐角膜という疾患について多くの人に知ってもらう必要があると思う。また、円錐角膜を専門としていない医師にもより認知してもらうべきだと思う。

【送信日時 2020年07月04日】


  93:さばとらさん

【年齢 :36歳、職業:会社員、性別:男性、住所:静岡県】

十代後半から円錐角膜に罹患し、現在も闘病中の者です。左眼は強度近視<−12D>、円錐角膜角膜ではないけど神経の断裂と内皮細胞の減少あり。右目は中度の円錐角膜。角膜リング手術ずみ。現在休職三年目、休職中に名医と呼ばれる方々に診察処方してもらいました。が、治療は満足にいきません。

このサイトは以前から知っていて、時々拝見していました。私の経験と考え方、体感度が皆様の参考になってもらえば幸いです。これから記載する内容はあくまで個人的なもので皆様に必ずしも合致するものではありません。後述しますが円錐角膜は軽度も中度も強度も関係なく罹患してしまえば根本的な治療がなく苦しい病気です。全部で20院近く回りましたが、有力といわれる眼科だけ記載します。

道玄坂糸井眼科
まずはハードコンタクトが第一手段ということで、ハードコンタクト処方で有名な糸井眼科に。三度調整したもののフィッティングは良いとされたものの視力がでません。そして慣れても痛いものは痛いです。ピギーバックも試しました。先生は有無を言わせない感じです。最後にはもっと視力が出ない人がいるんだから!と一喝されました。視力が出ない当人が言うならまだしも、医師が対比をだしたらオシマイです。お手上げといってるようなもんです。これ以上の調整は難しいと言えばいいのに。プライド高いです。視能訓練師さんたちの能力は高く対応も丁寧でした。

静岡県本田眼科
地元の眼科で円錐角膜に特化していると聞いたのでコンタクト処方に。糸井眼科ではサンコンタクトを使用していたのでローズKの作成をお願いしました。フィッティングは前よりも良くなったと思いましたが、やっぱり視力が出ません。調整は熱心にやってくれて融通も利きます。不満があればどんどん言っても聞き入れてくれました。

三井メディカルクリニック
オサートが気になり診察に。検査機器は充実しており、前述した左目のダメージもここで発覚しました。肝心のオサートですが、まず外野からは禁忌であると知っての受診でした。オサートというのはいわゆるオルソケラトロジーです。普通のオルソケラトロジーのアップグレード版だそうです。私の場合、見えるかもしれない領域に行くまでに3年近くかかり、費用も百万を超えるのでやめました。近視が強いほど効果が薄いので、近視の強い私は不向きでした。なにより円錐角膜角膜の不正乱視の払拭にはリスク覚悟でやるのには疑問符がつくからです。

京都府立大学で従事する糸井先生
道玄坂の糸井先生の息子さんです。私の近隣の医院に来られるということで診てもらうことに。サンコンタクトで圧を極力強めにかけて、不正乱視をどうにかしたいということで色々試みましたが上手くいきませんでした。また、府立大学で行っているラジオ波熱形成のことも聞きましたが、どうやら古い術式のようで術後もとに戻ってしまうそうです。先生は優しい方でした。

八重洲さくら眼科
研究所も併設しており、患者にとって心配ごとを率直に答えてくれます。フィッティングよりも良好な視界を円錐角膜の方々は求めていると言う言葉に感銘しました。今までに試したやり方を知らせたら、もうコンタクトレンズでやるべきことはやった。あとは手術法があるけど根幹治療にはならないよ。リスクもあるし妥協点があるかどうか見定めてと言われて、手術を少し検討するようになりました。良い悪いを忌憚なく言ってくれて個人的には良いと感じた医院でした。

吉野眼科
直接診察したわけではないけれど、メールでボストンレンズと角膜リングのことについて質問しました。まずボストンレンズはフィッティングの良さにアプローチするもので、ハードコンタクトと見え方は変わらないということでした。次に角膜リングですが、唯一円錐角膜の見え方にアプローチする術法だそうです。私の様に、ハードコンタクトでいくら調整しても見え方が変わらないのは、角膜の後面部の不正があるからで、前面部の不正がある人にしかハードコンタクトはあまり効果がないということでした。あくまで見え方に関してですが。この頃から角膜リングをしようか迷うようになりました。先生は好感の持てる方です。

名古屋アイクリニック
最終的に行き着いた場所です。おそらく円錐角膜の治療の引き出しを一番もっているのが、当クリニックの小島先生だと思ったからです。ここで角膜リングをする事に決めました。結果から言うと失敗でした。元々近視の矯正術の為、強度の近視である私はガチャ目になってしまい、期待した不正乱視の矯正は感じませんでした。そして二度目の再手術、前のリングを一度抜き、新たに乱視だけにアプローチするようにお願いしました。その結果、元々の正乱視はほぼなくなりガチャメもなくなりましたが、不正乱視は体感で1割ほど軽減した感じです。もっと期待をしていただけに正直不満な感じがありました。
暫くしてからハイブリッドレンズなるものができたので、試してみました。このレンズ、着け外しが滅茶苦茶大変です。ランニングコストは年18万円で、見え方はハードレンズと同じです。角膜リングをしている者にとっては不向きな感じがしました。取り外し時、角膜からリングが飛び出すかというぐらいいたかったです。そして最後にピンホールコンタクト。これはソフトレンズです。レンズの中央付近にマジックで丸印を書いたようなデザインでこの丸印の部分で不正部を覆ってしまうということです。デメリットはこの丸印が視界にずっとつきまとってくることです。神経質な人には向かないかもしれません。結果は今までで一番不正乱視が取れている感じがしました。テストレンズということで自分用の物を作成しましたが、テストレンズ装用時よりもなぜだか見え方が悪くなりました。どうやら調整がシビアなようです。

ここまでが今の現状です。これからも名古屋アイクリニックさんを頼りにより良い治療方が確立するのを待つばかりです。

最後に円錐角膜角膜という病気をググると治療できます。というサイトを多数見かけます。そしてハードコンタクトのフィッティングのことばかり出てきます。私にとってフィッティングなんかは二の次、三の次で見え方を求めています。ランドル管検査で見えていますね。と言われても実生活で快適に文字が読めますか?快適どころか文字を読むことが困難でしょう。ランドル管の検査はいくらでも時間をかけていい上に、四分の一で正解になってしまうのに対して実生活はタイムリーです。まともに目が見える人たちと一緒になって仕事をしたり、勉強したり、スポーツするのは困難です。なので治療方が確立しています。というサイトを見ると憤りを感じることがあります。只の妥協手段の一つであり、確立しているというのは言い過ぎです。だから社会的にハンディが認められないのです。社会悪でしかありません。

次に円錐角膜の方は頑張り屋の方が多いです。ハンデがあるのに見た目は普通だから頑張らざるを得ない状況を作ってしまいます。そして無理をするから他の病気を併発してしまいます。私もそれが為に、自律神経失調症、鬱病、癲癇、強度の片頭痛、肩凝り、首凝りを患っています。円錐角膜とこれらの病気は関連性が高いように思います。私以外にもお見かけします。
重度の円錐角膜の方の苦労は果てしなく、計りしれないものだと思いますが、軽度であったころの私も数々の苦労がありました。円錐角膜と診断をうけたら、根幹治療が確立するまで社会全体が寛容であってほしいものです。回りが理解してくれない分どうか皆様もお体をご自愛下さい。

長文、駄文、大変失礼しました。

【送信日時 2019年07月23日】


  92:アケちゃんさん

【年齢 :66歳、職業:主婦、性別:女性、住所:兵庫県】

私は昭和47年から円錐角膜です。右は軽度、左は中程度の上、若い頃からハードコンタクトで、だんだんと年がいけばレンズの度数もおちていき、現在は老眼がキツくなり、レンズも度数が落ちて近視も下がりますが、乱視がコンタクトを入れていてもとれなくなります。円錐角膜で老眼になってくると、毛様体筋が緩み2重や3重になり、左の方だけ肩や首の凝りがとれなくなってきます。この状態が10年続いてます。

角膜移植をしてほしいんですが、見えていたら駄目だといいます。医師はどんなに毎日、円錐で目が眩しくて又10年間、肩や首の凝りに悩まされていても、見えてたらいいでしょう!見えてないもっと重症の人もいますから!しかし、辛いんですけど。こんな老後の生活は無理。目のいい人は羨ましい。角膜リングをしたいんですが、した方は情報を教えて下さい!

【送信日時 2018年02月10日】


  91:匿名さん

【年齢:48歳、性別:男性、住所:東京都】

クロスリンキング角膜リングの治療を行いました。現在治療中なので詳細に書けない部分があるかもしれませんが、体験談等あまりに少ないので少しでもお役に立てればと思い、自分の体験を送らせていただきます。参考になれば幸いです。あくまで個人の感覚ですのでその事をお含みおきください。

<25歳ごろ>
夜間運転中、視界に違和感があり(高速道路の標識が見えない)眼科を受診。片目のみ乱視ありとの診断。このとき円錐角膜との診断はなされなかった。今思えばこの頃すでに発症していたのだと思う。アトピーとまではいかないが目をこすったり、目をすぼめたりする癖があった。それが原因かもしれない。以来20数年片目のみ乱視(矯正不可)でメガネ着用。乱視側のみ視力が落ちつづける。その度にメガネを作り直し、現在に至る。

<今年>
片目の視力が0.1くらいに落ちてしまい、レーシックなどの治療法があるのかと思い約20年数年ぶりに眼科受診。検査の結果、片目は円錐角膜との診断。治療法の説明を受けその日に手術日を決める。難病指定であるとの診断を聞き混乱し、少し考えたかったが、ひどくなると角膜移植が必要とのことなので、それであればと思い切って決断する。この手術は保険適用外なので何らかの救済措置は欲しい。

この歳になってひどくならなければ手術も不要という考えもあるが、車がないと生活できないので、できれば正確に視力矯正できたほうがよいかと。また矯正できなくとも円錐角膜の進行が止まれば良いかというという2つの理由があった。手術まで2ヶ月ほど間があった。途中数回角膜の状態などの検査を行った。

<手術当日>
所要時間約30分。先にリング挿入。その後クロスリンキングを行う。点眼麻酔をするので痛みは少ないと言われていた。その通りに手術自体の痛みはほとんどなかった。問題は目を開いたまま固定され(こちらの方が痛いかも?)、その上何をしているかがぼんやり見える事であった。

目に色々な薬剤が入ってきて、メスのようなもので角膜を切ったり、リングが入ってきたり、それが全部ぼんやりと見えるので(繰り返すが痛くはない)痛みよりも恐怖のマネージメントをしないと通常の精神状態ではいられないと思った。(私はここが一番知りたかった)

治療のためと自分に言い聞かせひたすら精神集中して眼球を動かさないようにということに集中するようにした。リングの挿入が終了すると次はクロスリンキングを行った。こちらは6分ほどであろうか、ずっと緑の光を見ているようにいわれる。その通りしようと思うが、ぼんやり違うことを考えてしまうのでできるだけ光に集中するようにした。

何か他のことを考えないと精神が崩壊するような気になったが、果たしてどちらがよかったのかわからない。個人的には目の手術は初めてだったので、驚きと恐怖が入り混じった複雑な気持ちであったが、終わってみると先生をはじめスタッフの方々が驚くほど手際が良く、時間にしてもあっという間であった。自分がそこまで恐怖に感じる必要もなかったのでは?と思うくらい。ただ、もう一度手術をするかと聞かれたら間違いなく遠慮したい。

当日は目薬が処方される。夕刻だったのでタクシーで帰宅。麻酔が効いていている間はほとんど痛みもない。保護用のコンタクトが入っているので目がゴロゴロする感じ。当日は風呂は禁止。幸い当日は夏の割には気温が低めであったが、暑いと汗が目に入り感染症が起きたり、おまけに風呂も禁止となると結構しんどいことが予想されるので、個人的にはこの手術は冬場に行った方が良いと思う。

<手術日自宅>
麻酔の効果がなくなると、目のゴロゴロ感と目を閉じた時の鈍痛がひどくなった。なるべく目を使わないようにとのことなので寝ようと思うが、目を閉じると鈍痛がひどくとても眠れない。コンタクトを入れているせいか(普段はメガネ)それとも手術の痛みなのかわからないが、チクっとした痛みの間くらいの強さの痛みで、結構痛い。またまぶたを閉じようとすると痛いので不眠による頭痛もあってか、もう何だかわからなくなった。

まぶたを閉じられないというのはこんなに辛いことかと感じた。病院で点眼の痛み止めをもらっていたが効果はなかった。結局明け方まで朦朧として不安だけが残った。ひどく目が充血していた。

<2日目>
全くといっていいくらい眠れなかったが、家にいても痛いので外に出る。目が開いているせいか、人と話をするせいか、幾分楽な気がする。相変わらずまぶたを閉じると痛いが、終日用事を済ませる頃には大分痛みも引いていたと思う。本当は翌日は安静にしていないといけないだが、家で横になっていたらここまで回復しなかったのではと思うが、あまりオススメはしない。

なぜなら1日5回点眼しなくてはならならず、さらに清潔度を要求されるので、汗などの要因で不潔になる要素が多いからである。2日目は睡魔が痛みに勝り熟睡とまでは言えないが眠ることができた。

<3日目>
病院で診察を受ける。3日目になると、さすがに痛いにの慣れてしまったような気がして、一定の痛みがずーっとある感じだが、昨日よりは弱くなっているようだ。普通に電車に乗ることができた。病院でコンタクトを外してもらう。1日目、2日目の痛みを訴えるものの、経過は問題なしとの診断。やはりあれはコンタクトの痛みだったのか?

<4〜6日目>
なんとなく、痛みも引いて随分と楽になる。施術をした目は充血もかなり引いてきて、触らなければさほど痛みもない。一定のゴロゴロ感はあるが、痛いわけではないのでうまく付き合うしかないと割り切る。とはいえ顔を洗ったり、ちょっとしたことで手が目に当たると結構な痛みを伴うので、なるべく安静に、また外出も控えめにしていた。

とはいえ夏場で汗が目に入りそうになり何度もタオルなどで拭くようなことがあった。繰り返すがこれが冬なら随分楽だったかもしれない。風呂は入っても良いとのことだが、目に水が入るのがいやで、ダイビング用のマスクを着用していた。

<7日目以降>
術後1週間目の検診。視力が0.8まで出ているとのこと。そう言えば遠近感が変わってきたような気がしていたが、それまではひたすら目薬をいれて痛みが引くことばかり気にしていたこともあり、一番肝心な円錐角膜の状態がどうなったかなど考えてもみなかった。それを聞いて少し驚く。角膜自体の検査などは後日行うようだ。

乱視も改善されているような気がする。文字などがある程度判別できる。いままで見ることを諦めていた目が急に始動した感じ。ただし見え方にムラがあるようでよく見えたり、次の日は見えなかったりで安定しない。ただしゆっくりと階段を登るようによくなっている気がする。またリングを挿入することによっておこるといわれる、ハロー、グレアなどないとは言えないが、気にならないレベル。

しかし、これが一時的なものなのか、老眼などの症状が出てきたらどうなるのかわからない。あくまで現時点での感想。悪くならない事を祈るのみ。現在のところ最初の数日の痛み以外は(これが結構大変だったが)順調な気がする。また前述のように円錐角膜がどのように改善されたかはわからないので、機会があればまた書きたいと思います。

【送信日時 2017年08月31日】




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